◆[院内だより2月号] 〜患者様の健康のために〜
 ◇院長より

「風邪(かぜ)」の季節真っ盛りですね。当院もただの風邪かな思われるような患者さんも多く来院されていますが、中には長引く鼻汁を訴える人に鼻のレントゲンを撮ってみると急性副鼻腔炎(ちくのうしょう)だったり、あるいは風邪が続いていると思ったら実は花粉症に移行していたり、小児では知らぬ間に中耳炎になっていた場合もありました。

ところで「風邪」と「インフルエンザ」の違いは何でしょう? 「どちらもウィルスが原因」・・・正しい! 「インフルエンザは風邪のひどいものである」・・・まあ正しいが少し違います。この(少し違う)点が重要ですので、今日はその点についてお話ししましょう。

(原因ウィルス)風邪はライノウィルス、パラインフルエンザウィルス、アデノウィルスなどが原因なのに対して、インフルエンザはインフルエンザウィルスA、 B、およびCが原因です。

(症状・経過)風邪は、発熱(38℃)あるいは無熱、倦怠感などあるものの通常軽く、2−3日で回復し、大事に至ることはまずありません。しかし弱いウィルスですから免疫力の獲得も弱く再罹患することがあります。インフルエンザは、症状は「風邪」とは比較にならぬ程重く、発熱は39−40℃、強い全身倦怠感、頭痛、関節・筋肉痛などが1週間近く続きます。抵抗力の弱いお年寄りでは肺炎を起こし更には細菌の合併感染で死に至る場合も珍しくありません。特にインフルエンザA型は悪者で人と動物の間で感染が行き来しているうちに、ほぼ10年の周期で姿・形に突然変異を生じ「新しいA型」として大流行・・・スペイン風邪・香港風邪など・・・を引き起こします。一度かかれば免疫は強く残るのですが、上に述べた如く新しい形に生まれ変われば役に立ちません。B型はA型に比べればやや軽く、C型は更に軽く済むのが通常ですが風邪よりはやはり症状は重いのです。

(治 療)風邪には対症的に対処し、安静・休養をとるほかありません。またそれで充分でしょう。一方、インフルエンザは幸いなことにワクチンと薬があります。ワクチンはかなり有効なことが証明されていますので受けておいた方がよく、万一発症しても軽く済むのです。更にワクチンを受けず発症しても1―2日以内なら「くすり」があります。このくすりはインフルエンザA型・B型のウィルスが細胞内で増えるのを抑える作用があるのですから、感染された細胞が破けて全身にウィルスがひろがってからでは効きません。更に更に唾液や鼻汁を用いて患者さんが現在本当にインフルエンザAまたはB型に罹患しているか10分程で調べることが可能ですから不必要な投薬も防げるようになりました。C型は軽症でほとんど風邪と同じような対応でよいでしょう。

(追記)風邪でもインフルエンザでも相手はウィルスですから抗生物質は基本的には無効です。しかし弱った体につけ込んで合併症(肺炎、中耳炎、副鼻腔炎など)を起こす細菌と戦うには抗生物質は欠かせません。症状を良く見極めてタイミングよく使用することが必要です。

(サーズ(SARS・重症急性呼吸症候群)について)長い間人類を悩ませてきた難病・・・例えば天然痘、小児麻痺など近年克服されつつある一方で、エイズを筆頭にB.S.Eだのイヤラシイ病気が次々に出現してくるのには驚いてしまいます。サーズもその一つでしょう。このウィルスはインフルエンザウィルスが「10年毎に姿を変える」のを「日々刻々変える」と思って下さい。するとワクチンは効きませんね。くすりを開発するにしても多くの難問があります。全体の死亡率は15-20%と言われていますが、65才以上に限ればほぼ100%に近いのです。現在では有効な治療法は無いのです。ここは皆様と共に・・・私は69才・・・神様仏様の御加護をお祈りしましょう。

院長 菅家 元


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