◆[院内だより7月号] 〜患者様の健康のために〜
 ◇院長より

夏のような梅雨が続きますね。皆様お変わりなくお過ごしですか。私(院長)は残念ながら6月初旬に急に体調を崩して入院することになってしまいました。日頃「二人の医師で診療、患者さんをお待たせしません」なんて標榜していましたのに皆様に御不便をおかけして申し訳ありません。

私の病気は時間がたてばまた元気になりますのでご安心ください。でもあと1ヶ月位はかかる予定です。多くの方々から暖かい励ましを賜りました。心より感謝しております。このような皆様の御厚情、ご期待に報いるだけの優しい気持ちで私は日常患者さんに接していただろうか?とベットの上で反省しきりでございます。「自分が病んで初めて患者さんの気持ちが判る」よく言われる言葉ですが、全くその通り。患者さんが「痛い」「苦しい」といえば「苦しい」のであって「その位は痛くないはず」「苦しくないはず」「我慢できるんでしょう」とかいうことはないんですねぇ。20年前大病(悪性腫瘍手術)を経験した私は骨身にしみて判っていたことですが改めて更に深く肝に銘じたことでした。

のどに小骨、指にトゲ・・・・ささいなことでも一日中不愉快です。ましてベットの上から「健康の世界」を眺めると羨ましいですよ。毎日食事を運んでくる「元気なオバサン」が羨ましくなるんです。早くよくなりたいです。末筆ながら皆様のご健勝をお祈りしております。

病院のベットの上より

平成16年 4月 院長 菅家元

追記:寂しい話はこれで終わり。来月からまた面白い話を続けますね。乞うご期待!


 ◇プールと中耳炎

今回はプールの季節となりましたので、最近外来で患者さんからの質問が多い【プールと中耳炎】について書かせていただきます。

皆さん「耳に水が入ると中耳炎になる」という話を聞いたことがありませんか。この「迷信」は意外と世間に広まっており、うっかりすると医者でさえ信じている人がいるので驚きます。耳は、先ず2センチたらずのトンネル(外耳道)で始まり突き当たりは鼓膜です。この鼓膜の向こう側にあるお部屋が中耳(腔)です。中耳腔は耳管という細い管で鼻の奥へ通じています。中耳炎は主にこの耳管を経て中耳腔に細菌などが浸入して炎症がおきて、耳痛・難聴・発熱などの症状を生じた状態をいうのです。先に述べたように外耳道は鼓膜で行き止まりですから水が入ったりしても中耳腔に入る訳がないでしょう。ですから「耳に水が入って中耳炎になる」ことはありません。なるとしたら外耳道炎です。夏期と冬期でどちらが水泳をする人が多いですか・・・それは夏期ですね。「プールで中耳炎になるなら」夏に中耳炎患者が増えるはずですが中耳炎が多いのは圧倒的に冬前後・・・風邪の季節です。夏は外耳道炎です。耳垢がふやけるのもその一因ですので、耳垢は掃除してプールに行きましょうね。また、プールへ行く児童と野球をする児童で、前者の方が中耳炎が多いなんてきいたことがありませんでしょう。「突き指」は後者の方に多いでしょうがね。

先に述べた様に、中耳炎は上気道の感染症に際して、原因菌等が耳管を通じて中耳腔に入り炎症が起きるのです。早い話、中耳炎は風邪・鼻炎・扁桃炎に続いて始まることが多いのです。「耳に水が入って中耳炎」という理屈が正しければ、腹の中心にある「小さな行き止まりの孔」⇒「へそ」に水が入って腹膜炎になりますよ。さあ、この一文を読み終えたあなた、これからは「プールに入って中耳炎」なんて迷信を信じませんね。そして、中耳炎になり易い幼少児の方々の上気道感染症・風邪の直後の中耳炎の気配りを忘れずにしましょう。


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