◆[院内だより3月号] 〜患者様の健康のために〜
 ◇院長より

耳垢(みみあか)について

 三月! 花が一斉に咲く春ですが、花粉症の話では平凡でうっとうしいし、試験の話題も落ちた人もいることだし・・・ひとつ肩のこらない「耳垢(みみあか)の話」と参りましょう。
 
 皆さん、血液・尿・(便)・唾液・・・などの検査で色々なことが判りますね。それなら排泄物でもある「耳あか」を調べたら何か貴重な情報が得られるではないかと研究した人が居ました。・・・が今日に至るまで医学上の大発見というような報告はないようです。

(表1形浦1962)
 
画 分(%)
I
II
III
IV
(脂質)
("X"物質)
(遊離アミノ酸)
(たんぱく質)
耳あか型
乾型
23
8
11
57
湿型
20
32
9
38
「耳あか」は外耳道の外3分の1にある汗腺の一種・アポクリン腺からの分泌物に表皮の剥がれたものなどが混じって出来ています。外耳道の皮膚を保護する作用があるとか・・・2〜3の説はありますがよく判らないのが現状です。耳あかにはカサカサとした乾型とべたべたした湿型があることはよく知られていますが、この性質は生まれつきに決まっていて一生変わりません。湿型は優性遺伝をします(松永、1969)。「耳あか」の成分を分析してみると(表1:形浦1962)の如くですが、乾型湿型の差は正体不明のX物質とたんぱく質の差で生ずるらしく脂質などには差がありません。
(表2形浦1969)
人種集団
湿型の頻度(%)
北支那人
4.2
韓国人
7.6
ツングース人
9.4
モンゴル人
12.1
日本人
16.3
南支那人
26
琉球島人
37.5
海南島人
55.4
ミクロネシア人
62.9
高砂族
71.4
メラネシア人
72.2
アイヌ人
86.7
ドイツ人
96.9
米国白人
97.5
米国黒人
99.5

 構成成分の意味するところは不明ですが血液や尿のように疾病に際して特別な所見を呈することもなく、耳あかの研究は医学の研究の隅におさまっているようです。

 耳あかの性状が遺伝的に決まるのですから人種・民族間の差が顕著に見られます(表2:松永1969)。例えばベタベタ型(湿型)は米国黒人ではほぼ100%ですが、日本人では16%しか認めません(少し古い文献ですので現在では使われない表現があることをお断りします)。一般にベタベタ型の人は少々エッチな人が多い・・・何? 思いあたるですって?・・・いや冗談ですヨ。ウソです。・・・と騒ぎつつ地球儀を回しながら改めて(表2)と見比べて春の夜をお過ごし下さい。

 

院長 菅家 元


 ◇スギ花粉症

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