国民健康保険(国保)と社会保険(社保)
風薫る五月、花粉症も終わって健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。
皆さんは社会保険(昔は健康保険〔健保〕といわれていましたが現在の社保を指します)や国民健康保険(国保)と一般の保険(生命保険、自動車保険など)との違いは判りますか? これは大きな問題ですが日頃お世話になっていながら案外知らないように思います。
あなたが就職するとしましょう。会社はあなたが「会社の部品」として故障なく無事に働いてくれるような健康な人を選び、万一在職中に不具合が起きたら安く直せるように会社とあなたの双方の負担で「保険(社保・健保)」をかけます。結果として健康な人を選んで採用するのですから病気になる確率は低くなります。
さて、無事停年を迎え「これから病気になる」年齢になると「社保・健保」から「国保」へ加入します。そして死ぬまで世話になります。結果、「国保」で扱われる人達が色々な病気を有する率は「社保・健保」加入者とは比較にならぬ位高くなります。
「国保」に加入する際には「余命いくばくもない」重病にかかっていても加入拒否されることはありません。年齢・性別による差別もありません。一般常識から考えてこんな「保険」があるでしょうか。それは「国保」が「保険」でなく「人生の最後まで健やかに過ごせるように」という「福祉」が目的だからなのです。簡単に2者を比較しても以上の如く大きな違いがあり、ここに「社保・健保」が財政的に豊かで「国保」が赤字に傾きやすい理由があります。
さらに「社保・健保」にはおかしいことがあります。それはあなたが独身だろうと、扶養家族が何人居ようと保険料は同じである点です。ひとり分の保険料で独身は自分だけ、家族持ちは家族全員が保険に入ったことになります。加入者が増えれば「国保」でも一般の「保険」でも割引サービスはあるかもしれませんが保険料が増えていきますでしょうに。奇妙な制度ですね。独身の方、腹立ちませんか?
国民のすべてが健康に過ごす権利は憲法に述べられています。生涯の健康の保障ぐらいは国民平等に・・・即ち「国民健康福祉制度」といったものにまとめられるのが理想ですが種々な利害得失がからんで何十年ももめているのが実情です。今回は医療を支えている保険制度の「変な点」についてちょっと目をむけてくださるよう一文を書きました。
院長 菅家 元 |