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副鼻腔炎―ちくのう症について
耳鼻科の病気は・・・中耳炎、扁桃炎・・・といろいろありますが「ちくのう症」もよく目にしますね。「ちくのう症」は鼻炎のひどいタイプだと受け止めている方がいらっしゃるようですが、全く違います。
「ちくのう症」は正しくは「副鼻腔炎」と申します。ちくのうは蓄膿と書きます。鼻のどこかに膿が溜まるという意味です。では何処に膿が溜まるのでしょうか?
頭蓋骨の上部半分に脳が収まっています。下部1/3は口腔です。では頬(ほっぺた)部分では何がありますか? 自分の顔に触れてみて下さい。眼球のへこみ(眼窩)の下の骨(上顎骨)が丁度、鼻の孔を両側から挟むようにあり、その下端は歯列で終わっています。実はこの上顎骨(ほっぺた)の中は殆ど空洞で出来ており、健康なら空気が占めていて鼻の孔と交通しています。この上顎洞の他にも眉毛の下の骨の中や鼻の奥に小さい「腔」があっていずれも鼻の孔と通じています。以上からこれらの空洞を、鼻のまわりにある「腔」という意味で「副鼻腔」と呼び、そこに生ずる炎症を「副鼻腔炎」と称するのです。
多くの副鼻腔炎は鼻炎に引き続き発症するのですが、歯が原因であったり、悪性腫瘍から始まる場合もあります。 ね、「鼻炎」と「副鼻腔炎」とは病気のある場所がぜんぜん違うでしょう? 例えて申せば「気管支炎」と「肺炎」くらい違うのです。
副鼻腔の空気が追い出されて替わりに膿汁・粘液が溜まり、あるいはポリープが占めると、鼻づまり、汚い鼻汁、のどにタンが下がる、更には頭痛、嗅覚減退、めまいなど副鼻腔炎の症状が生じて患者さんの日常生活は甚だしく障害されます。また風邪もひきやすくなります。鼻炎と副鼻腔炎と病気が違えば当然治療法も違ってきます。副鼻腔炎も急性のうちに治療すれば容易に治ゆしますが、慢性になるとなかなか手ごわく時間・費用など患者さんの負担も大きくなります。日頃、私が「鼻炎なら少し大目にみよう、副鼻腔炎ならキビしく」対応するのはここに理由があります。
ひと昔前とは違い現在の治療では、手術をせずに治るのが大部分ですし、手術にしても手技・内容も大きく変わって小さい範囲で身体的負担も軽く済むように進歩してきました。
ここでは副鼻腔炎の原因・治療については詳しく述べませんでしたが、本文が「副鼻腔炎―ちくのう症」とは何処の病気か理解していただくきっかけになればと願っております。
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