◆[院内だより3月号] 〜患者様の健康のために〜
 ◇院長より

自律神経失調症について

 春、季節の変わり目、いわゆる「木の芽時」は体調が不安定になる時期でもありますが、最近のストレスの多い世を反映してか自律神経失調症の患者さんが耳鼻咽喉科でも増えています。
 この病名はよく耳にしますね。自律神経とは何でしょう?自律...自動的に律する...オートマチックコントロールという意味です。

 私達の身体はそんなにオートマチックに動いているのでしょうか?そうですとも。大ざっぱに言えば、自分の意思ですること以外は殆ど全部自律神経で動かされていると申して過言ではありません。

 自律神経は交感神経と副交感神経が互いに制御しあって...なんて話になると分かりにくくなりますから、ちょっと置いておいて...具体的に例を挙げてみますと...例えば心臓は自分の意思で鼓動を早くしたり遅くしたりできませんが、走ったり、休んだりすれば自動的に変化します。汗をかきたい、止めたいと思ってもそうはいきません。眼の瞳孔(ひとみ)も自動的に大きくなったり、小さくなったりします。自律神経は身体の置かれた状態に応じて、内臓、血管に作用して自動的に目的に合うよう調節してくれます。「さあ、これから戦うぞ」となれば筋肉に多くの血液を送るため、心臓は拍動を上げますし、瞳孔はカッと開いて相手をしっかり見つめます。気温が上がれば毛穴は開いて汗をかき体温を下げます。以上はよく理解できます。

 ところが自律神経は精神的ストレスでも影響を受けるので複雑になります。例えば、旅行に行くと便秘する...腸の動きが弱まる...ことはありませんか?試験の発表を見に行く...手のひらに汗がジットリ、胸がドキドキする...という具合に。必ずしも合目的には働いてくれず不都合を生じます。これが度を過ぎれば病気−「自律神経失調症」です。以下に症状を並べてみましたので試しにチェックしてみてから次を読んでみましょう。

 頭痛、頭重、だるい、不眠、汗かき、口腔乾燥、動悸、息切れ、胸の圧迫感、食欲不振、胃もたれ、便秘、下痢、のどの異物感、など。

 上述の症状が昂じて、心臓ノイローゼ、不眠症、赤面症などむしろ精神科領域に続く病気に発展するので、自律神経失調症は幅と奥の広い病気と言えるのです。

 患者さんは自分の訴えの原因となる病気、例えば、動悸−心疾患、頭痛めまい−頭蓋内病変、嚥下違和感−食道癌などを心配して来院していますから「実は自律神経失調によるものだ」と納得させねばなりません。万一、原因疾患が存在するならそれを見逃すことは許されませんから診察する側もなかなか気を使うのです。

 さて、慎重な診察で自律神経失調症と決まれば治療のポイントは、患者さんの話をよく聞き、話し合うことでしょう。メス、注射は要りませんが上に述べたように多くの時間が必要です。

 問題は、こうして時間をかけて行われる無形の治療行為に対する診療報酬上の評価は無きに等しく、その時間を他の患者さんを数多く診察した方がより高く評価(報酬)されるのは納得のいかぬところです。タクシー代も、距離と時間の併用で計算される時代ですからね..。当局の御一考お願いしますよ。最後はドクターのグチになってしまいましてすみません。


 ◇お知らせ

混雑時の受付時間の変更について

 現在副院長のみの診療となり混雑が続いています。混雑時は医療の質の保持と次の日の診療への影響を考慮し、受付時間終了が早まることがありますが、どうかご理解いただければ幸いです。


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