◆[院内だより6月号] 〜患者様の健康のために〜
 ◇院長より

鼻の異物について

先々月の院内だよりでは「のどの異物」についてお話ししたので今月は鼻の異物について書いてみました。

<まえおき> 
鼻に何か入れてものど程は危険はありませんが、絶対ダメなものが2つあります。

* 箸のような細い棒状のもの

鼻の入り口から上に向かう方向...すなわち鼻トンネルの天井部分はうすい骨の壁で出来ています。うすくてもろい骨ですから学術名が「紙の骨」というんです。従って細い棒状の物で突けば赤ちゃんでなくとも軽い力で容易に脳に突き刺さります。
鼻に鉛筆、割り箸など入れたまま前方に倒れると非常に危険なのです。

* ピーナッツ
「のどの異物」でも述べたようにピーナッツは特別な異物です。異物として鼻に存在するうちはまあ問題はないのですが、お母さんの「あ!鼻に豆が入ってる!」なんて大声にびっくりした赤ちゃんが「ハッ!」と吸い込んだり、あるいは「せき、くしゃみ」を伴って気管に入り込んで..。気管内異物となった場合に困るのです。ピーナッツは成分の油が肺の組織を溶かして重度の肺炎や肺膿瘍を起こす恐れがあるからです。
さて、最初に危険な場合についてお話ししましたが一般的には鼻内異物が重大な結果になることは少ないと思います。

<鼻内異物はどうして起きるか>
 幼児が「口に物を入れる」行為が本能に基づいているらしいことは想像できますが「鼻に物を入れる」なんて本能があるわけないでしょう。原因はズバリ多くは「大人のマネ」です。大人がふざけて豆や割り箸を入れる行為、時には鼻出血にテイッシュを入れるのを見てマネするのです。幼児の前で悪ふざけはやめましょう。(テレビで豆を入れる芸はよくないですねえ。)
閑話休題! 耳の異物も親のマネ。安易な耳掃除のマネから自分で耳をいじり鼓膜損傷を生じます。院内便りで度々述べてますね。

<鼻内異物の症状>
 入れる際を目撃していなければ直ぐには判断できませんが、時間が経つにつれ異物のある側の鼻づまり、汚い鼻汁と、くさい鼻息や口臭がします。ほほずりしようとして気付くお母さんが多いのです。
 最も多い異物は「丸めた紙片」。次いでプラスチック片です。いずれもレントゲンに写りにくいので困ります。疑ったらお母さんは自分で除こうとはしないで私達にみせてください。私達はフアイバースコープで確かめて摘出します。慣れた医師なら危険もなく難しい手技ではありません。除去により症状は直ちに消失します。

<摘出後の対処>
 鼻出血は医師におまかせ下さい。
もう一つ憶えておきたいこと。実は奇妙なことに私の経験から申しますと、鼻異物騒ぎを起こした幼児は、また同じことを繰り返す他に、耳や尿道(膣)などに異物を入れる傾向があるらしい。そちらの方が困りごとですね。
私は後処置として異物騒ぎを起こしたら、直後に体罰も含めてきつく叱り、二度とさせぬよう教え込むことがポイントと思います。

<追記>
全国的に眺めれば、口に箸やスプーンをくわえて転倒する幼児は毎日何十人といるでしょうが、鼻に箸を入れたまま転ぶことに比べれば危険率はずっと低いと思います。が、大切な赤ちゃん、気をつけましょうね。


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