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 ◆[院内だより10月号] 〜患者様の健康のために〜
 ◇院長より

「ご近所の(オバサンの)底力」

 暑い、いや熱い夏もやっと終り秋風が吹き始め、皆様も生気を取り戻されたことでしょう。
 さてNHKテレビの番組に「ご近所の底力」がありますが・・・私はこの頃「ご近所のオバサンの底力」に困っております。・・・まあ聞いてください。
 私の診療所へ40歳代後半の婦人がめまいを訴え参りました。調べてみると生理不順もあり、どうも更年期症状のようです。しかし検査を進めるうち少しひっかかる点がありましたので「更年期症状だと思いますが脳から来ている可能性も否定できないのです。今日は一応薬を出し様子を見ますが一週間後に必ず来院して下さい」と申しました。いきなりCT脳検査で驚かせてもどうか、費用もかかることだし少し様子を見る事にしたのです。しかし、それきりプッツンして来院したのは一ヶ月後に婦人科の先生からの紹介で「どうも更年期症状ではなさそうです。貴院でもう一度よく診て下さい」との由でした。CTを含めた再検査で結局小脳に腫瘍が見つかりました。 患者さんに「何故黙って転医したかを尋ねましたところ、あれから隣のオバサン(素人)に話をしたら「あなたの症状は私の更年期の時とピッタリ同じよ。私が診てもらった○○婦人科へ是非行きなさい、と勧められてそちらに通院していました。それに他の医者にかかると申し上げたら先生はご不快になると思いまして・・・」めまいの診察40年の私より(隣のオバサン)の方が説得力があったのにはがっかりしてしまいました。
 仮に私(医師)が脳腫瘍を更年期症状と誤診したら信用を無くします。時には訴訟になるかも知れません。(隣のオバサン)なら、「あーら脳腫瘍だったの、お気の毒だわねぇ」でオシマイでしょう。その責任の重さ、世間の扱いえらい違いです。・・・という話を医師会の集まりでグチリましたら、ある内科の先生が次のような話をしてくれました。
 50代の婦人のひどい糖尿病を・・・心臓・腎臓障害、高コレステロール、動脈硬化など合併・・・一年余もかけて苦心して少しづつ改善してやっと結果が見えて来た頃に突然通院しなくなり、一年後に再来した時はすっかり悪化、眼は半盲、腎臓は透析寸前で下肢は車椅子になっていたというのです。「何故途中で止めたの」と聞くと「近所のオバサンから『そんな沢山のくすりを飲んだら身体に悪いョ』と言われてくすりを勝手に止めて二〜三の医師を回っているうちこうなった」と言うのです。彼は「オレは何十年も糖尿病一筋に勉強して来たのに何で(隣のオバサン)の方が信用あるのかョー」とグチリ私と二人で大いに盛り下がりました。
 自戒するなら私達医師に信用がなかった、あるいは説明不足があったとも言えましょう。一方、患者さんの側からは他医に相談・診察してもらいたいと申し出るのは現在の主治医の感情を害するかも知れぬとういう気持ちがあるらしいのです。しかし現在は患者さんが「他医の診察を希望する・意見を聞いてみたい」と申し出るのは全く普通のことで、その行為で主治医が不快感をもつことはあり得ません。むしろ歓迎すべきことであり、大きな病院ではわざわざ「セカンドオピニオン外来」を設けているくらいです。
 もし主治医が「他の先生の意見も聞いてみたい」という申し出に腹立てるようでしたら、そんな医師とは即、縁を切ることをおすすめします。複数の医師の意見を聞いて患者自身が医療を選択する時代なのですから・・・。
 遠慮せずにドンドン相談・紹介をお申し込み下さい。それが医師・患者が協力してより良い医療に近づく道なのです。

 ◇インフルエンザ予防接種について
 
  今年も当院は練馬区指定のインフルエンザワクチン接種施設となり、公費での接種(65歳以上の方)もお受けします。また、生後6ヵ月以上65歳未満で接種希望の方は保険外診療(自費診療)となり1回3000円、2回5000円(小学生以下は4000円)となります。2回の接種を行う方(学童、幼児、乳児)は接種間隔を3〜4週間とることをお勧めします。よって、
10月中旬から11月中に第1回目の接種をされることをお勧めします。


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