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 ◆[院内だより12月号] 〜患者様の健康のために〜
 ◇院長より

耳鼻科でも役に立つ皮膚科のお話

 先日、耳鼻科の研修会で皮膚科の先生を招いてお話を拝聴しましたところ、私共耳鼻科医が耳・鼻・口の周囲などの皮膚処置に安易に塗り薬を使用することに警鐘を頂きました。日常で役に立つ興味あるお話でしたので受け売りではありますがご紹介しようと思います。
“前置き”先ず皮膚についての基礎知識・・・
 皮膚は身体の表面を覆って有害物が容易に体内に及ばぬ役目をしています。あたり前のようですが、改めてよくこの点をわきまえて下さい。例えば青酸カリを指でつまんでも問題ありませんが、もし口腔粘膜の上なら死んでしまいます。あるいはドブの中をはだしで歩く、汚いプールで泳ぐ、皮膚に傷でもない限りまず病気になりません。皮膚は頑丈な防火壁です。この事実は次の様に言い換えることも出来ます。「皮膚表面に有害物・薬物・化粧品を塗りつけたり、浸してもそう易々とは身体内に入って行く訳ではありません」
“本題”
 皮膚組織は大まかに分けると表面を覆う表皮とその下を支える真皮、そしてこの2層の間にバリアー層という水や油など通しにくい層があります。例えば松の木を想像してください。表面は剥がれやすい凹凸した皮、これを剥がすと“やに”で出来た薄い層、そして本当の幹(芯)・・・ですね。表皮は少しずつ自然に脱落してゆき、その分下層から補充されます。ですから表皮を無理に削り取りますと充分な表皮が足りなくなり、その下に拡がるバリアーが破損され易くなり、結果、真皮内に有害物質・・・菌や抗原の侵入を許すことになります。
 一方上述のお話と矛盾するようですが、皮膚は接触により異物を徐々に吸収する能力があります。このことは種々な軟膏・鎮痛剤などのはり薬があることからも理解できます。しかしその取り入れる量は極めて少量でかつゆっくりです。ウィスキーを飲むのとコップに指を入れてしみ込むアルコール量位の差があります(約1000:1)。1?では酔いますが1ccでは酔いません。
 次に大事な知識は「皮膚の場所により吸収度が甚しく異なる」ということです。手のひらの吸収度1としますと特に顔については頬は15、口囲20、眼の周囲30、外耳20です。この事は手のひらに大豆大の軟膏を塗るなら眼の周りは耳かき一杯でも充分ということです。手・足・背中などに塗る感覚で顔にステロイドなどを含む強い軟膏を使用することは使いすぎの危険があります。皮膚科にかかった方なら顔、特に眼の周囲の使用については細かな指示・注意を受けた経験があると思います。

“まとめ”
講演の終わりにあたり皮膚科の先生が話されたことを列挙してみます。

  • 皮膚は大切にしましょう。やたらこすったり、石鹸で洗う、薬・化粧品を塗るのは皮膚の老化のもと・・・小じわが増えます。
  • 風呂・シャワーは入るだけで充分である。不要な表皮は自然に剥がれ落ちて行きます。まあ股と足の裏ぐらいは石鹸で洗えばよろしい。但し1〜2日に一度入浴する人で、1週間に1回の方はそうはゆきません。
  • 垢すりエステは言語道断。自殺行為であり百害あって一利なし。
  • 「コスル」ことはよろしくない。必要以上の健康な表皮を剥がすことになりかねない。
  • −アトピーの患者さんを診ると顔が最もひどく次いで腕・・・それも(左)上腕外側(右利きの人)など、いずれもこすり易い場所です。手の届きにくい所は病状が軽いのです。
    さてここに述べたことを噛みしめてみますと、極めてアタリマエのことでさほど新しい知識でもありませんが言われて改めてナルホドと思ってしまいました。「風呂とシャワーは入るだけ」・・・楽ですねぇ、助かりますねぇ・・・実行してみますか。

    ★余談ですが私共耳鼻科医は、耳・鼻でも顔に近く寄って診察します。すると見えてくるんですよ・・・何が?って眼の周り・・・ここに眼がありますってな具合に縁に沿って黒く塗ってあって、更にまぶたには何やら青い色、ご丁寧に銀粉か何かがふりかけてあります。これだけでもご苦労さんなのにコールタールで束ねてあるかのような付けまつ毛がのれんのように頑張っています。極めて個人的な意見ですが、眼にも皮膚にも良くないと思うんですけど・・・第一ちっともキレイには見えませんぜ。余計なお世話?スミマセン。赤ちゃんの眼・まつ毛は化粧をしなくとも、目やにがくっついていても美しい。それに可愛いです。私もそんな頃があったんだなあと・・・思いながら。おわり・・・。

    院長



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