|
婦人科から耳鼻咽喉科へ
先月の院内だよりでお約束したように、今月も、本年度の耳鼻咽喉科学会から表題を選んで紹介します。婦人科と耳鼻咽喉科? 何処が関連があるのでしょうか? まあ、読み進めてみてください。
私事ですが、私は39歳から今年3月75歳で引退するまで35年間、近所の小学生達と早朝サッカー練習をしてきました。そんな訳で子供達(主に小六男子)と話を交わす機会が多くありました。ここ数年、特に性に関する話題が、より詳しく具体的になってきているのには驚かされます。
本日お話する内容は、六本木で30余年、婦人科を開業されている先生の今年度の日本耳鼻咽喉科学会における報告の紹介です。先生は自身の経験を通して近年の性の乱れを憂い、10年前からボランテイアとして六本木街頭にて性病無料診察券を配り、若者の性行動、嗜好について調べていらっしゃいます。報告によりますと、10年前無料受診券を手にして受診した若者(平均18.5歳)の実に81.6%に何らかの性病(クラミジア、淋病、梅毒、ヘルペスなど)に感染しておりました。地域特殊性もあるでしょうが、非常に高率です。この結果に驚いて若年層の性病の予防に向け戦いを始めたわけです。その後も調査、診察を進め、最近まとめた若年層の注目すべき結果は以下の如くです。
- ビデオ・DVDが性の「教科書」になっている。
- この「教科書」を中3男子で58%、女子で13%、高3男子で81.3%、女子で59.7%が観ている。
- 観た全員の66%が画面と同じことをした、あるいはしてみたいと思っている。
先述の私自身の子供達との交流を通した経験でこの報告を聞くと、この特殊な「教科書=ビデオ・DVD」は現在はより広くより低年齢層に観られているのは間違いないと信じます。改めてこの発表に納得しました。
耳鼻咽喉科の外来へは咽喉(のど)、口腔感染症として性病が登場します。感染経路は性行為により様々です。クラミジア、淋病、梅毒、エイズ…などです。やっと、婦人科と耳鼻咽喉科がつながってきました。当院の外来にも「ウーン怪しいな」と思える患者さんが現れます。見落とししないよう努力しております。
動物は生殖のためにのみ性行為します。現代の一部の若者にとって性は単なる快楽の手段であり、ビデオ・DVDに描かれるのは「面白い、楽しい、気持ち良い」だけが目的で、性が「愛の表現」であることを思わせる描写は何もないことは悲しいことです。更には性病など大事な知識についても当然ながら何もないのです。
終わりに…小中学生のお子さんをお持ちのお母さん、お宅の子供さんは、特に男子は、恐らく60〜70%の確率で、実体験は別として性行為については詳しく知っています。そして、それは「愛の行為」の表現ではなく、「誤った教科書」に基づいた、女性を「物」として見る反人道的な知識であるのです。私達大人は機会ある毎に正しい性の意義を伝えなくてはなりません。それはまた、性病の予防でもあります。
今回少々深刻な話題になってしまいましたが、一部過激な部分はこの「だより」では削除しております。詳しくは当院ホームページに掲載してありますのでそちらでご覧ください。
院長
|