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 ◆[院内だより7月号] 〜患者様の健康のために〜
 ◇院長より

婦人科から耳鼻咽喉科へ・・・原本

 先月の院内だよりでお約束したように、今月も、本年度の耳鼻咽喉科学会から表題を選んで紹介します。
 婦人科と耳鼻咽喉科?何処が関連があるのでしょうか?まあ、読み進めてみてください。
 私事ですが、私は39歳から今年3月75歳で引退するまで35年間、近所の小学生達と早朝サッカー練習をしてきました。そんな訳で子供達(主に小6男子)と話を交わす機会が多くありました。ここ数年、特に性に関する話題が、より詳しく具体的になってきているのには驚かされます。小6が実際に性行為まで及んでいる可能性は少ないと思うのですが、話の中に出てくる言葉は正しく理解されております。子供達の「教科書」は主にアダルトビデオで、親の知らないところで皆で回し観賞しており、本を読んで得る知識より、はるかに具体的です。過激な漫画もこれを支えています。私が性行為について「覗き見」したのは大学に入ってからです。それも砂嵐の吹く白黒の8oでしたからカラービデオとはえらい違いです。
 本日お話する内容は、六本木で三十余年、婦人科を開業されている先生の今年度の日本耳鼻咽喉科学会における報告の紹介です。先生は自身の経験を通して近年の性の乱れを憂い、10年前からボランテイアとして六本木街頭にて性病無料診察券を配り、若者の性行動、嗜好について調べていらっしゃいます。報告によりますと、10年前無料受診券を手にして受診した若者(平均18.5歳)の実に81,6パーセントに何らかの性病(クラミジア、淋病、梅毒など)に感染しておりました。地域特殊性もあるでしょうが、非常に高率です。この結果に驚いて性病の予防に向け戦いを始められたわけです。その後も調査、診察を進め、最近まとめた結果は以下の如くです。

  • アダルトビデオが性の「教科書」になっている。
  • この「教科書」を中3男子で58%、女子で13%、高3男子で81.3%、女子で59,7%が観ている。
  • 観た全員の66%が画面と同じことをした、あるいはしてみたい、と思っている。

報告は更に続きます。
 この「教科書」の中に必ず出てくるフェラチオ(口腔セックス)が性行為として極めて普通のこと、として描写されており、当然ながらこれを観た若者達は正常な性行為として受け止めてしまっています。フェラチオが実は主に売春婦などが用いる特殊な手練であることは我国、外国、共通の認識でもあるのですが…
 動物は生殖のためにのみ性行為します。現代の一部の若者にとって性行為は単なる快楽の手段であり、アダルトビデオに描かれるのは「面白い、楽しい、気持ち良い」だけが目的で、性行為が「愛の表現」であることを思わせる描写は何もないことは悲しいことです。更には性病など大事な知識についても当然ながら何もないのです。オラルセックスが極めて特殊なこととは言えないまでも「必須科目」ではないでしょう。
以上、先生の「まとめ」は・・・若者達に対して

  1. 性病のまん延に対する危惧
  2. 性に対する誤った考え方
  3. 性病について知識の貧困

の警鐘で終わりました。
先述の様な私自身が子供達との交流を通した経験でこの報告を聞くと、この特殊な「教科書=アダルトビデオ」は現在はより広くより定年令層に観られているのは間違いないと信じます。改めてこの発表に納得しました。
誤った知識や貧しい性教育が「口腔セックス」を当然のこととして流行を促し、耳鼻咽喉科の外来へは咽喉(のど)、口腔感染症として性病が登場します。クラミジア、淋病、梅毒、エイズ…などです。やっと、婦人科と耳鼻咽喉科がつながってきました。
当院の外来にも「ウーン怪しいな」と思える患者さんが現れます。見落とししないよう努力しております。
 終わりに…小6のお子さんをお持ちのお母さん、お宅の子供さんは、特に男子は、恐らく60~70%の確率で、実体験は別として性行為については詳しく知っています。そして、それは「愛の行為」の表現ではなく、「誤った教科書」に基いた、女性を「物」として見る反人道的な知識であるのです。私達大人は機会ある毎に正しい性行為の意義を伝えなくてはなりません。それはまた、性病の予防でもあります。私は耳鼻科医ではありますが、親身にご相談のお相手をさせて頂くつもりでおります。

院長



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