よくある質問

 今回はこの似たような二つの病気について軽く触れ、更にムンプスの合併症と予防接種については少し詳しく述べてみました。耳下腺は両耳の耳たぶの下にあって、ムンプス(おたふく風邪)で腫れるので皆さんよくご存知のことと思います。同じ場所近くにリンパ腺もありますが、耳下腺は唾液腺(唾液を作る組織)ですから食事時には更に活動が盛んになり、感染・炎症があれば鈍痛を生じるので、たやすく区別できます。

ムンプス:ムンプスは小児期にかかる極めてありふれた病気で、患者に接触後10~20日の潜伏期を経て風邪の様な症状で発症して耳下部、時にあごの下(顎下腺、舌下腺)も腫れます。一週間位で腫れが消失、通常は何の後遺症も残さず治癒し、以降は終生続く免疫が出来ます。
ムンプスの合併症と後遺症;主なものは3つあります。

(1)髄膜炎(脳症)(2)睾丸炎、卵管炎(3)感音性難聴(聾)

1.ムンプス患者の脊髄液を調べると髄膜炎の所見がかなりの例で見出される。即ち脳炎は起こしているのですが、臨床的には大多数は無症状であり、更に後遺症はまれです。
2.世間では不妊症の原因として有名ですが、実際にはまれなことです。
3.耳鼻科で取り上げる重大な合併症はこの感音性難聴です。この合併症が出たら殆んどの患者が全く聴こえなく(全聾)なります。神様もとことん意地悪ではなく、大多数は片耳が侵されます。しかも症状は難聴以外に全くなく、片耳は正常ですから発見されるのは新一年生就学時検診の時で、もちろん治療不可能です。急に難聴になる突発性難聴の一つではありますが、ムンプスに起因するのは全聾になるので恐ろしいのです。

問題点;世界の近代国家、米、独、仏などではムンプスの予防接種は全て法律によって強制接種です。日本では任意接種です。何故でしょう?いや、以前は日本でも強制接種で行っていましたが、予防接種後に髄膜炎が発生したという問題が起き、被害者が反対し、厚生省もこれを受け入れ、強制→任意接種になったいきさつがあります。
 以後、予防接種による髄膜炎はゼロになったでしょうが自然感染によるムンプスは増えたでしょう。…髄膜炎は? 判りません。が、確実なことは「ムンプス後の聾」は増えています。合併症としての髄膜炎はまれで「後遺症がほとんどない」に対して「必ず聾になる合併症」の方が問題でしょう。
しかも前者より後者の方がはるかに多いのですからなおさらです。予防接種により防げるのですから私はムンプスの予防接種は日本では任意になっていますが、ぜひ受けるよう勧めています。私の孫? もちろん受けましたよ。
反復性耳下腺炎;「つい去年、ムンプスが流行した折に私の子供は済んだのに今年また腫れた」…
なんて経験ありませんか? そう、ムンプスは普通は一生一回です。まれに初回が軽症で済み、免疫が薄いと2回かかることもあります。その場合は何十年も間を置いてです。

 このような例の多くは反復性耳下腺炎で、詳しく調べるとムンプスの感染は認められず、耳下腺の一部の未発達が原因で感染・炎症を起こしているのです。抗生物質、抗炎症剤等の投与ですぐ治まります。10才位までには耳下腺の発達が追いついて発症しなくなります。

 後記;ムンプスも反復性耳下腺炎もありふれた病気でありますが、確定診断には数回の検査、具体的には何度か採血、採尿をしますので、幼少児にとってはイヤな検査になります。従って、問題がないと臨床症状に対処するのみの治療で済ませることが多く、ましてや完治と思われてからも二度、三度と採血は歓迎されませんが、私共が患者さんに強く勧める時は理由があってのことですから、御協力をお願い致します。

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