よくある質問

 梅雨、毎日じめじめしてうっとうしいですね。頭の中にカビが生えないよう気をつけましょう。
 さて、この季節、「ハナ血の季節」でもあるのです。鼻出血の患者さんが増える時期が年3回あります。春先の花粉症の頃、つゆの明ける7月初~中旬、9月末~10月初めの残暑もすっかり現れなくなる頃・・・その時期になると、申し合わせたように鼻出血の患者さんが来院します。たかが鼻出血といっても時と場所によっては日常生活上困ることが間々ありますので、きちんと対処が必要です。

◎どんな基礎疾患があるか・・・
 幼少児ではアレルギー性鼻炎を有する場合が多いようです。しばしば鼻をほじくるのでそれだけでも出血し易く更に痂皮(かさぶた)が着くとついいじったり洗顔、ハナをかむ、ぐらいでも、ますます出血を繰り返すことになります。時に血液の病気が原因のこともありますがまれなことです。あまり反復する時は念のため血液検査をすることはあります。

 成人、お年寄りの場合は動脈硬化で血管がもろくなっていたり、その遠因として糖尿病・高血圧・高コレステロールなどの成人病も無視できず、もちろん癌などの悪性新生物にも留意しつつ診察します。

◎何処から出血しているか(ここは重要!)・・・
 下図を見てください。鼻には左右に分ける「しきり板」があってこれを鼻中隔ビチュウカクといいます。たとえば鼻を打った、のぼせた、などで起きる鼻出血の殆どはこの鼻中隔から生じます。小児・大人で多少の違いはあるものの、入り口より「小指で一節」位の奥の鼻中隔壁に毛細血管の豊富な場所があり「キーゼルバッハ氏出血点」と名前がついています。(×印のところ)
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◎止血するには・・・
 出血しているところを押さえることですね。あたりまえ・・・
 上に述べた「小指一節の奥」に出血点がある・・・と知ることがポイントです。そこに届かぬ「長さ一節分」の棉栓(図B)をつっ込んでも止まる訳がありません。少なくとも出血点を越える長さ・・・一節半~二節の長さの棉栓(図A)が必要です。(図B)では血液はのど、口に回ってくるだけで止血にはなっていませんね。
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 来院の患者さんの多くは大きな棉栓を鼻に入れてみえますが肝心の鼻内に挿入された部分の長さは1cmにも満たず(図B)全く止血の役に立っていないケースが大多数です。

 繰り返しますが、「小指二節分」の脱脂綿を「余すことなく」挿入し、鼻の横を強くつまんでいればたいていの鼻出血は5分ほどで止まります。申し遅れましたが、とっさの場合を除き、ティッシュは望ましくなく・・・強引に入れると鼻中隔を傷つけ易く・・・脱脂綿が良いのです。ティッシュしかなければ唾液や水でぬらして挿入しましょう。入れた棉栓は少なくとも1時間くらい入れておくのがコツです。

◎くすりは何があるか・・・
 前項に示した止血法を行うに際しては棉栓に止血剤を浸して使用すると更に止血が容易に行えます。ボクシングの試合で眉や顔が切れた時に止血に使用する塗り薬です。
 また前述のようにアレルギー性鼻炎のある人は止血剤と抗アレルギー剤の内服が有効で一週間もすると出血が治まってきます。

◎手術的止血法
 以上の処置でも反復する出血の場合は出血部位の毛細血管をレーザーなどで焼く方法があります。10分位の処置で痛みもなく終わり以降出血はなくなります。

◎まとめ
 鼻出血が始まったら出血側を確かめ、小指の二節分ほどの長さの脱脂棉栓を作り、その全部を鼻孔に入れて外から押さえる・・・ことです。

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