◇「中耳炎」ってどんな病気?
鼓膜の中の中耳というスペースの炎症を中耳炎といって、中耳炎は大きく3つに分かれます。
1. 急性中耳炎 2. 滲出性(しんしゅつせい)中耳炎 3. 慢性中耳炎 です。
◇「急性中耳炎」ってどんな病気?
鼓膜の内側(中耳)にうみが貯まる病気です。のどの菌や、汚い鼻水の菌が鼻から耳に進入して増殖した為と考えられています。症状は急に生じる、耳痛、発熱、耳だれです。風邪に併発する場合が多いです。治療は抗生物質や鎮痛剤の投与です。鼓膜を切開してうみを出す事もあります。
◇「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」ってどんな病気?
鼻から耳への空気の抜けが悪い為に、鼓膜の内側(中耳)に粘液(滲出液)が貯まる病気です。小児に比較的多く発症します。急性中耳炎の後に生じたり、アデノイドが大きい場合に生じることが多く、稀に、鼻の奥の腫瘍が原因であるときもあります。長引く場合は鼓膜にチューブを入れる場合もあります。
◇「小児の滲出性中耳炎」で注意点は?
無症状(軽度の難聴)で気が付かれない場合があります。放置しておくと、言葉の遅れ、慢性中耳炎への移行、性格にも影響すると言われています。のどや鼻の症状を伴っている小児に多く併発します。治療は原因となっているのど、鼻の治療を行い、改善しない場合は手術を行うこともあります。
◇「慢性中耳炎」ってどんな病気?
鼓膜に穴があいている状態のことです。無症状の方もいますが、徐々に進行する難聴や、反復する耳漏れなどの症状を認めます。聴力改善が期待できるもの、耳だれが止まらないものは手術対象となります。
◇「副鼻腔炎」ってどんな病気?
いわゆる「蓄膿症」のことです。ほっぺたの奥や、おでこ・眼の内側の骨の中のほら穴に、うみが貯まる病気です。黄色や緑の鼻汁、頭痛、鼻づまり、異臭(臭い)等の症状を認めます。レントゲンやCT検査を行います。治療は内服薬で治療しますが、進行例や薬で難治性の場合は手術を考慮します。
◇「へんとうせん」を取るのはどんな時?
1年に3~4回以上、扁桃炎を繰り返す場合。重症(発熱、咽頭痛が強い)になりやすい場合、皮膚炎、腎障害の原因になっている場合です。また、ひどいいびきや夜間の呼吸困難の原因になっている場合、溶連菌などの悪い菌が感染している場合に手術を考慮します。